元旦会
- 浄光寺

- 1月1日
- 読了時間: 5分
皆さま明けましておめでとうございます。昨年も皆様方には私たち家族
を始め、浄光寺をしっかりと支えていただいた一年でした。改めてお礼申し上げます。
今日新たな年を迎えるという節目に当たって、今一度自分を見つめ直し、確かな一歩一
歩を進めていきたいものです。
毎年、ここで明けましておめでとうございます、と挨拶させていただきながら、そん
なふうに新年を迎えられない方々が世界にはどのくらいおられるのだろうかと思いを馳
せることも忘れないでいたいと思っています。先日職場の若い方が事故でお母様を亡く
されました。その方が新年をどんな思いで迎えているのだろうかと想像してもしきれま
せん。何故母がこんな目に遭わなければならないのかというやりきれない思い、加害者
への怒り・憎しみ、いろいろな思いにさいなまれていることだろうと思います。生きて
いるということはいつどうなるかわからない、諸行無常だという真理が、普段なら理屈
としては理解できても、それが我が身に起きたときには素直に受け入れることなど到底
できないだろうと思います。お母様の遺骨を前にしてお母様から自分に届けられている
願いに耳を澄ませられるようになるまで、時間を掛けて諸行無常という真理と向き合っ
ていただきたいなと願うばかりです。
さて、少し話は変わりますが、この遺骨について、実は太平洋戦争によって海外で亡
くなった日本人約240万人のうち約半数の112万人の遺骨がまだ収容されていないとい
うことをご存じでしょうか。アメリカは戦没者の遺骨は本国に帰還させることを原則と
しており、沖縄や硫黄島などの遺骨も大半は収容しています。それに対して日本政府に
は全ての遺骨を遺族の元に帰そうという姿勢が見られません。アジア各地に大切な遺骨
を放置されたまま、たくさんの遺族の方々は戦後80年を過ごしてこられたという事実も
私たちは知っておくべき歴史だと感じます。
今年は政権が大きく揺らぎまた新しい形がうまれました。あれだけ大きな問題となっ
た政治と金の問題はうやむやにごまかされようとしています。初の女性総理ともてはや
されていますが、安倍首相の後継者を自認するだけあってタカ派ぶりをどんどん発揮さ
れています。昨年石破政権で8兆円を突破した軍事費がさらに借金を増やしていよいよ9
兆円を超えました。長距離ミサイルや全国で整備を進める弾薬庫、攻撃型兵器の無人ド
ローンなどに注ぎ込まれます。中にはガザへの無差別攻撃を繰り返すイスラエル製の武
器も含まれます。私たちの税金がガザの幼い子ども達を傷つけることに使われるのです
。また、新たに海外への武器輸出の規制も無くそう、原子力潜水艦を保有することも検
討しようなどと次から次へと軍事オンパレードです。挙げ句の果てに政府高官から日本
も核を保有すべきだという発言が飛び出しました。高市首相自身が非核三原則を見直す
べきだという発言を繰り返してきた人ですので、これまでタブー視されてきた言葉が言
ってもいい雰囲気になりつつあるのだとすれば恐ろしい流れだと感じます。ノ-ベル平
和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会や広島、長崎からも「核兵器の恐ろしさを
知らないのか」と抗議の声が上げられています。
報恩講で宗祖親鸞聖人の御生涯を振り返るとき、当時の権力が念仏を弾圧し僧籍を奪
われ京都を追われる中で、聖人が毅然とした態度で権力に向き合われたことに思いを馳
せざるを得ません。宗教は自分の心の問題だけではなく、社会とどう向き合うかという
生き方そのものも問われるはずだと思うのです。
さて、自分の足下を見てこの一年自分自身に少しでも成長があったか、お念仏の生活
が出来たか、と問うてみますと、ただただお恥ずかしい一年でした。子ども達の笑顔に
何度助けられたかわかりませんが、家庭の中でもつまらないことでいさかい、自分で自
分の心に地獄を作ることの多い日々でした。ただ、そういう自分を客観的に見る視点を
いただけることが、お聴聞をさせていただいていることのかすかな救いです。親鸞聖人
というお方は、人間というものが持っている愚かさを見つめるときには、常にそのど真
ん中にご自分を据えておられました。いくら他人のアラがよく見えても、そのことを親
切で教えてあげても、その人が成長したり、関係性がよくなったりはしません。それは
同じ事を自分が言われた場合を考えればすぐにわかります。「あんたに言われたくない
わ」と素直に聞くことなどできません。お聴聞しながら、人のことはどうでもいい。愚
かなのはこの私だ、と自分自身をまっすぐに見ることができれば、そこに初めて自分自
身が成長する可能性が生まれます。自分に変えることができるのは、自分だけです。あ
いつが悪い、自分はこんなにしてやっているのに、と他者を責め、自分が被害者になっ
ている方が楽です。しかし、そこをきちんと乗り越えていくためには、自分の人格をし
っかり育てていく必要があります。そのために仏法をしっかり学ばせていただきましょ
う。
では、昨年に引き続き、今年も皆さんで浄光寺の活動を支えていただきながら、楽し
くご一緒に聞法を重ねていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。





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