我が身を深く悲しむ心に仏法のことばが響く
暑い毎日が続いていますが、蝉の大合唱はまだまだこれからです。「惠蛄春秋を知らず」という諺にあるように、蝉は幼虫の時期を土の中で過ごし、夏に成虫になって地上に出て、その夏のうちに死んでいく生き物です。本当は昆虫の中でも長く生きる虫なのですが、人間の目に映るのが夏だけなので儚い命だと思われがちです。四季の移り変わりを知っていることを前提に夏という季節があるのだから、夏しか知らない蝉はそもそも春も秋も知らないのだ、というわけです。これは、私達にも言えることです。人は何故、何の為にこの世に生まれ、苦しみを抱えながら何の為に生き、死んでいくのか。この大きな問いの前に謙虚に頭を垂れ、自分自身を深く問うていく時に、仏法が私の生き方を育ててくれるのです。
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