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執筆者の写真浄光寺

殺すな・殺させるなの声を世界中に

 2023年10月のハマスによる奇襲攻撃を発端として、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの大規模な攻撃が続けられています。現地では1月の時点で2万4000人を超える死者が出ているそうです。人道支援物資の搬入もままならず、二歳以下の子どもの6人に1人が重度急性栄養不良という状況がさらに悪化しているといいます。ハマスは非戦闘員を含むイスラエル国民を無差別に虐殺しました。それに対してイスラエルは「私たちは人間のかたちをした獣と戦っている」とまで言い切り徹底した報復を続けています。子どももいずれは大人になって戦闘員になるかも知れないし、けが人もけがが治れば戦場に出てくるのだから容赦はしない、という理屈で学校や病院に対しても攻撃の手を緩めません。相手を人間とさえ認めず、怒り、憎しみ、屈辱感といった「負の感情」に衝き動かされているようです。勿論その背景には複雑な民族間の歴史があり、簡単に解決できる問題ではありません。しかし問題の根源は「他者と共生すること」ができない人間の非寛容さです。お互いの正義で相手を裁く愚かさにお互いが気付かなければ、憎しみの連鎖を絶つことは出来ません。それは私自身が抱えている人間としての危うさでもあります。

 世界の良識で何とかこれ以上の犠牲を拡大させないために足並みをそろえたいところですが、それも各国の思惑が入り乱れ思うように進みません。国連安全保障理事会はガザでの「即時の人道的停戦」を求める決議案を採決しましたが、米国が拒否権を行使し世界の望みに背を向けました。

 何か私たちにも出来ることはないのか、その思いだけは持ち続けながら、もどかしい日々を送っています。


<深刻な子ども虐待>

 子どもへの虐待が疑われる事件が相次いでいます。2022年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待に関する相談は21万9170件で過去最高です。毎年50人前後の子どもが虐待で死亡しています。背景には貧困の拡大や子育てへの公的な支援が足りない中で親たちが経済的にも精神的にも追い詰められていることなどが指摘されています。しかし、その増大する虐待問題に対応する児童相談所の体制が追いついていません。世界水準に比べると極めて少ないのが現状です。未来を奪われる子どもをこれ以上出さないために、私たちの社会ももっともっと変わっていかなければなりません。




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