3月18日~19日の2日間、春の永代経法要がお陰さまで無事に勤まり、二日間でのべ50名の方がお参りくださいました。浄土三部経をお勤め後、三座にわたって藤大慶師からお釈迦様が悟られた「真実」についてじっくり考察しながらお話しいただきました。藤大慶氏は苦悩を抱えた青少年がよみがえるための場所「るんびに学園」理事長を退任されて、もっと幅広く辛い思いを抱えた人々が互いに支え合って生きる村「アショカランド」設立に向けて尽力しておられます。
生きとし生けるものが、世界にたった一つのかけがえのない輝きを持った命として目覚めて欲しい、という願いを成就されていった阿弥陀如来の物語。お釈迦様の悟られた真実を、お弟子達はそのような物語としてお経にまとめていかれました。お釈迦様が長い修行の末にたどり着かれた「ああ、そうだったのか」というお気づきが「悟り」です。その、お釈迦様が気づかれた「真実」とは何だったのか。藤先生は、それを40億年のいのちの歴史としてお話しくださいました。私たちのいのちがどこからやってきたのかを、人類の誕生、生命そのものの誕生にまで溯っていくと、40億年というとてつもなく長い時間紡がれてきた生命が、私の身体の60兆の細胞の中に刻み込まれていて、私のいのちの中に脈々と流れていることが感じられます。その命のバトンを、今こうして私たちは受け取って生きています。そう考えると、この命は「いただきもの」としか思えません。仏教は「目覚めの宗教」です。「真実」が理屈としてではなく、私のいのちの上にまっすぐ受け止めていくために、ひたすらお聴聞しかありません。
Comentários