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執筆者の写真浄光寺

春季永代経法要の報告

 3月23日~24日の2日間、春の永代経法要がお陰さまで無事に勤まり、二日間でのべ52名の方がお参りくださいました。今年は長い間お世話になった藤大慶師の御往生に伴い、替わって条例法座でお世話になってきた坂上良師にお越しいただき、浄土三部経をお勤め後、三座にわたってお取り次ぎいただきました。

 先生が日頃ずっと人生の羅針盤としておられる言葉、「如来世に興出したまうゆえはただ弥陀の本願海を説かんとなり 五濁悪時の群生海まさに如来如実のみことを信ずべし」というお正信偈のおことばをご讃題として、お話しいただきました。お釈迦様がこの世にお生まれになったのは、阿弥陀様のご本願、つまりこの世の全ての命あるものをお浄土に生まれさせて仏にする、そしてこの現実世界を生きるいのちをお念仏とともに生きる尊いいのちに仕上げる、という誓いを私たちに言葉として伝えるためだったのだ。なぜその必要があったのか。それは、私たちが今生きている世界が深い闇に覆われた迷いの世界であり、その世界で私たちが本当の意味でのいのちの大切さを見失い、生き方を見失っているからです。だからこそ、仏さまのまことのお言葉をあなたのいのちの中心に据えて生きていきなさい、と親鸞聖人はおっしゃるのです。お釈迦様が教えを説かれた2500年前から比べると人間の暮らしははるかに便利に豊かになったはずです。しかし、逆に様々な大切なものが見えなくなっているのかも知れません。極端な例ですが人類は大昔から戦争をし続けてきました。これだけ発達した文化を持つようになっても、民族・宗教・領土など様々な問題を原因として戦争をし、大量に人間を殺戮できる兵器を開発し続けています。私たちの国もあれだけの地獄を経験し、もう二度と戦争はしないと誓ったはずなのに、軍事費を8兆円に膨らませ、「平和のため」という名目で大量破壊兵器を開発して外国に売ってもうける国になろうとしています。長い生命の歴史の中でこれだけ知能を発達させたにも関わらず、人類は核戦争の脅威を増大させ地球環境を破壊し破滅への道を押しとどめることが出来ずにいるのです。視点を足下に移して、私たちの日々の生活はどうでしょうか。家庭や職場、地域社会といたる所で私たちは自分の物差しで他者を裁き、自分の思い通りにならないことで苛立ち怒り嫉み恨み煩悩に振り回されながら心に地獄を作り続けて生きています。そのような私たちの世界を冒頭の言葉では「五濁悪時」と表現されています。そのような闇の世界に仏さまの光が届いたとき、初めて私たちは自分の世界が闇であったことを知り、そして光に向かって生きるという視座を得ることが出来ます。しかし、実際にそれを我がこととして光に向かって生きる生き方を選ぶかどうかは自分次第です。私たちに届いている「どうか仏さまからの喚び声をあなたの命、あなたの人生の中心に据えた生活をしてください」という、南無阿弥陀仏に込められたメッセージをしっかりと聞き届けていきたいものです。




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